
シナノユキマスは白身の魚であり、特有の香気があります。特に天然物ではその特徴が顕著です。
ヨーロッパや北米では重要な食材として利用されています。
| 分類 | サケ科、コレゴヌス亜科、コレゴヌス属 |
|---|---|
| 学名 | Coregonus maraena |
| 英名 | Maraena whitefish |
| 呼称 | コレゴヌス・ペリヤジ・ラバレー・ラバレット・白マスなど バイカル湖オームリ(C.autumnalis)・グレイリング(カワヒメマス)も同属の魚です。 |
頭部から背部にかけては青みを帯びた灰色で、体側から腹部は全体に銀白色であり、その特徴よりwhitefishという英名をもちます。体はやや側扁し、口は小さく、あごには歯がないが、舌にはかすかに突起状の歯が見られ、背鰭と尾鰭の間に小さな脂鰭が存在します。
産卵期の親魚は雌雄ともに、側線から腹部にかけての鱗が隆起し、金白色に変わります。特に雄はさわるとざらついた状態になります。
シナノユキマスは、湖沼性の魚で、22~23℃以下の低水温を好みます。日中は深層を遊泳し、夜間に表層へ浮上することが多いです。
主な餌はミジンコなどのプランクトン動物であり、成長すると底生動物や小魚をとることがあります。10℃以下の水温でもよく摂餌します。
満3年で全長約40cmに成長し、秋から冬に湖岸近くの小石の間に産卵します。卵の大きさは約2mmで、体重1kgの親魚で2~4万粒の卵を産みます。産卵適水温は3~6℃であり、孵化適水温は6℃以下です。そして孵化した小魚の全長は約10mmになります。
天然では湖沼などの面積の広い止水域に棲息します。
濁りなどに敏感で影響を受けやすいものの、寒冷地の水温変化の大きな湖沼などの極端に餌の少ない水域でも棲息できます。
コレゴヌス属の天然の分布は、東部ヨーロッパ、シベリア、北アメリカなどの北緯50度近辺およびそれ以北の地帯であり、現在は移植により北部ヨーロッパ諸国に広く分布し、各国とも人工孵化放流による増殖事業を行っています。
日本では長野県の立岩湖、松原湖、柳久保池、中綱湖、白樺湖の5ヶ所に放流されています。本亜種以外に同属では、C.mukusun・C.Thymallus thymallasなどが日本へ移入され、現在飼育されています。